とりあえず行動しましょう
会の規則などを作るために会議を続けているうちに、メンバーが少なくなっていくこともあります。とりあえず、イベントを立ち上げてみることが必要です。「○○○オヤジの会」などと名を打って、やってみましょう。そのノウハウはこのページの他のグループの活動を参考にすると、すぐにでもできそうです。
簡単な規則を作っているグループもありますが、ここでは、自分たち独自の不文律のようなものを作っている場合を紹介しましょう。
この不文律であるということの特徴は
(1)古い、大事でないことは忘れられる。または常識になってしまう。
(2)新しい考え方がすぐ取り入れられる。
(3)だれでもがすぐ、参加したり、中心メンバーになったりする。
(4)小さな意見の違いは活動の中に取り込むことができる。
など、行動するグループにしなやかさが出てきます。もっともこの明文化されていないということの短所もあるわけですが、「あえて」そうしているようです。
さて、ではどんなきまりを作っているのでしょうか。これまで顔合わせ会で語られた項目をいくつか紹介してみましょう。
・自分たちがまず、楽しむこと
・マスコミにも取り上げてもらえる派手なパフォーマンスに徹する。
・電話をかけたらいやな対応をしない
・同じイベントをやらない
・疲れたらやめる
などなど、おおよそこれまでの規則には見かけない規則が『氾濫』しています。それが会への求心力を強め、また「なにかおもしろいことをやりそうだ」という期待感を持たせています。
母体組織
おとうさんたちのグループはその母胎がPTAであることが多い。PTAの任意団体であったり、委員会であったり形はいろいろです。また、PTAではなく地域のお父さんたちが集まってできたところもあります。問題はどこにあるかではないのですね。これまでの団体とは違うということを強調しているところが多いようです。
代表者はいない?
これまでの組織というと、名もあり、一生懸命がんばる会長がいて、何にでも通じている有能な事務局長がいて、他に数人の役員で運営されているのが普通でした。役員は選挙で選ばれる。そのための活動も行わなければならないというようなものでした。この方式は、なにかを決めるときなどの手続きがスムーズで、とても安定した運営が可能です。しかし、参加者が自分で考え、一人一人責任を持って行動するという点ではなかなか徹底しません。また、決めるところと、実際に運営する人たちとの考え方のずれなども出てきます。
お父さんたちのグループには、むしろこのような組織でないところがたくさんあります。それは、世話人あるいは代表者はおくが、その人が運営しているかというと必ずしもそうではない。その人たちはむしろ、外向けのスポークスマンのような立場であり、イベントなどを企画する際に集まったくる人たちが、企画も実行も楽しみもするわけです。このような組織は、みんなに内容の詳細まで連絡し、決め方に時間もかかり、また個々人が責任を持たなければ成りません。しかし、明らかに自分がやっているという実感があります。
この考え方は、最近よくいわれているネットワーク型の組織といわれているものと似ていることにお気づきになった方もあるかもしれません。
世話人は責任も権限を持ちません。決定権もありません。決定をするのは企画に参加した全員です。そしてもちろん行動の責任も持ちます。イベントなどは参加者の責任であることははっきりと唱います。
連絡はかならず全員に
「どこかで決まっている」という感じがもたれる場合には、そのグループの中心メンバーは育ちません。自分たちが決めてやっているという「実感」が必要です。そのためにはこまめに会の連絡をしましょう。最近のe−mailや掲示板などを使って、誰でもみようと思えばみることができる、読むことができる手段も積極的に使いましょう。
会議は踊ったほうがいい
会議というと、学校の会議室などで、議長が次第を読み上げるだけで進行し、波乱もなく「おごそかに」行われる物だと、どうも思ってしまうのです。誰か横道にそれると、眉をひそめてしまうようなことに、私たちは慣らされているのかもしれません。が、お父さんたちの会議はかならずしそうではありません。
しょっちゅう横道にそれます。それはまるで古い炭坑の坑道のように、横道だらけになるのです。「飲み会」で終わってしまう場合もあります。何も決まらない場合もあります。たぶん、効率ではなく、効果を大切にしているのです。
また、会議の場所は、各地のコミュニティセンターやファミリーレストランだと安く・・・あまり飲まなければですが・・・集まり安いはずです。また、地域の人たちの目に触れることによって「何かやりそうだ」という期待感のおまけまで付いてきます。好意にあまえて個人宅でやる場合もあります。ただ、大抵は夜遅くなったり、迷惑をかけたりします。お父さんのグループはお母さんたちからの「自立」を基盤としていますから、自分たちで用意も後かたづけもできるところを選びましょう。
活動資金は?
銀行選びも大変なので、預金通帳は持たないようにしましょう。財産は「参加するお父さん」だから、それ以外の資金・備品などを持たない方がいいかもしれません。また管理する人が必要になりますし、活動「しなければならなく」なります。
たいていは、バザーや夏祭りなどの売り上げの一部が活動資金に充てられている場合もありますが微々たるものです。イベントなどの必要経費はその度ごとに必要分だけ参加者が負担します。
−毎年同じことを行う。
この場合は、予定が組みやすい。毎年学年が変わるので、その学年になれば楽しめるという期待感が出ます。また、卒業生が、自分たちの経験を生かし、お父さんたちに手伝うことができ、縦のつながりができる。キャンプや夏祭り、昔遊びなどがあります。
−毎回突飛なことを行う
人の目を惹こう。マスコミに取り上げてもらおうというパフォーマンス。これまでの「教育」の枠をどうはみ出るかが鍵。他のところでやっていない企画を生み出す。他のところでやったおもしろそうなものをいただく場合もある。
大切なことは「自分たち」の企画に仕上げることです。初めて何かを企画する場合、父ちゃんたちのネットワークで積極的に企画を公開していますので、参考にしてみて下さい。
計画は綿密に
子供たちとのイベントを計画する場合、とても大事なことは安全に行うことです。そのための綿密な計画は、お父さんたちの得意とするところです。職場の経験をそのまま生かすことができます。学校に計画を出すときには、派手な計画書の下に必ず、綿密に計画された安全確保のための計画書を忍ばせておきましょう。
そのほかにいくつかポイントをあげておきます。
−保険のことを考えておく
いろいろな保険がでていますので、企画にあったものを選びましょう。団体が年間入れるものもありますので、メンバーに保険を扱っているお父さんを入れてしまうのも一つの方法です。
−当日の世話人の人数を確保する
当日は、参加者でありながら、また世話人でもあるという意識が必要です。自分の子供たちだけではなく、他の子供たちにも目を配ると、地域のつながりもまた強くなります。
また、一つ上の生徒や学生に参加してもらうこともできます。お父さんより、上手に子供たちを楽しませるかもしれませんが、そのノウハウもいただきましょう。
−パンフレットは人目を惹くこと
役所の公文書やではありませんので、書き方の手本はありません。わくわくするような案内のチラシが欲しいのです。キャッチコピーも大切に。「各位・・・○○の案内」ではもう先が見えています。
−準備の苦痛を解消しよう
よく、メンバーにお願いして、参加してもらい、そのために世話人がお茶を出したり弁当の世話をしたりするイベントがありますが、これでは世話人が楽しめません。できるだけ、自分のことは自分で準備する。後始末も参加者が行うイベントを考えましょう。
−イベントごとのヒーローをつくろう
ある人が、毎回活躍するのではなく、イベントごとに中心になって活躍する別の人が生まれてくる演出を考えましょう。組織としてヒーローが生まれるのではなく、イベントの中でヒーローを作るわけです。キャンプが得意な人、怖い話ができる人、オールディズが得意な人、パソコンにめっぽう強い人、魚を3枚におろせる人、ソフトボールのファーストピッチができる人、毎朝ジョギングをしている人、餅つきができる人。いるだけで会がなごやかになる人・・・あなたのまわりにはヒーロー候補がたくさんいます。
−学校や地域との連絡を
じつは、地域や学校には利用できる資源がたくさんあります。もしかしたら、使うことができるかもしれません。だめで元々で話してみましょう。「学校に泊まろう」はそのいい例です。これまで、多くの人が「おそらくだめだろう」と思っていたところ、実行したことがある(南材小)という話を聞きました。私たちは目から鱗といったところでした。
それからは、いくつかのグループで学校でのキャンプやお泊まり会が実行され、成功しています。
運営はしなやかに
実行当日は、さまざまな問題が起こってきます。また、計画通りには行かないことがたくさん出てきます。
計画をそのままに実行することが、すべてではありません。30%も予定通りに行けば、万々歳。
その場その場で担当の人たちが考え、アイデアを絞って事を前に進める「即興」を味わいましょう。